無事書類選考を突破した後に待っているのが、大事な大事な面接だ。
これから紹介する考え方は、あなたが転職した後に思い描いていた仕事ができるかどうかに関わる大切な視点となってくるので、注意して聞いてほしい。そして是非次の面接からあなたにも取り入れてもらいたい。
面接は何をする場所なのか
筆者が面接官として採用側の立場で面接をしていると、すごく不思議に思うことがある。
それは、面接を「お互いのことを理解する場」として捉えている人があまりにも少な過ぎることだ。
皆さんの中には、こいつは何を言っているんだ?と早速思ってしまった人もいるかもしれない。
それもそうだ。
巷には、内定をもらうための自己紹介や自己PR、志望動機の作り方、質問への切り替えし方といったものに代表される、面接のテクニックにまつわる情報が溢れている。
中には面接無双や自慢げに◯◯内定者の最強面接などと題して、いかに自己PRや志望動機、困難だった経験の話をして相手の欲しがる回答をするか、ネガティブな内容をプラスに伝えるかなどあたかもそれが一番重要であるかの如く強調しているものさえ出回っている。
それはそれで特定の人にニーズはあるのかもしれないが、転職を考える際にここを入り口にしてしまうと、ドツボにはまってしまう可能性がある。
採用企業が面接でやっていること
ここで一度立ち止まって、視点を採用企業側に移して考えてみよう。
採用企業が本当に求めているのは、その募集ポジションで入社後実際に活躍してくれる人材だ。
面接の場でうまく解答できる人物ではない。
採用企業は候補者がそれに値する人物かどうかを見極めるために、面接を行なっている。
そしてそれをどうやって判断しているかというと、
その候補者が「募集ポジションで活躍するために証明される必要のある仮定」をクリアできるかどうかを、数々の質問への反応や回答で検証しているのだ。
その回答に、募集ポジションで求められるレベルの行動が伴っていなければ(ファクトを取るという言い方をする人が多い)、
何らかの方法でよっぽどポテンシャルがあると判断できない限りは基本的にはお見送りとなる。
どこかで聞いたことのある話ではないだろうか。
そう、問題解決と全く同じアプローチなのだ。
(まだFP&Aに必要な問題解決スキルについての記事に辿り着いていない人はFP&Aに必要な問題解決スキルとはを参照してみて欲しい)
間違った考え方
ここまで聞いていると、それならなおさら事前にできる限りの情報収集をして、巷に溢れる面接術を駆使し相手が満足する受け答えをすれば内定がもらえるのではないか、そう思う人もいることだろう。
だが、その考え方は完全に間違いだ。
あなたの目的がただ内定をもらうことだけにあれば、それでもいいかもしれない。
しかし本当のあなたの目的は、入社後にあなたが望んでいる経験ができること、
そしてそこで活躍して成果を出すことであるはずだ。
それを決して履き違えてはならない。
あなたが面接でやるべきこと
それを押さえた上で、ここからがこの記事で一番伝えたいことになってくるのだが、
転職で失敗するリスクを最大限小さくするために、面接では採用企業と同等の立場から
「この会社は自分が望む経験を本当に提供できるのか、そしてその提供してもらった機会に対して、自分は成果として応えるために必要な能力と行動特性(コンピテンシー)を持っているのか」
をあなた自身で確かめなければいけない。
一方的に機会を求めるだけでなく、その会社のカルチャーで自分が結果を出せるのかという両方の点を検証する必要がある。
これを怠ったがためによく聞く言葉が、
「入社後のギャップが大きい」「聞いていたことと違う」「カルチャーが合わない」
という類のものだ。あなたもどこかで聞いたことのあるセリフではないだろうか。
こうなってしまうのには採用側と求職者の両方に責任がある。
こうならないために、採用側は面接で本当のあなたを理解しようとしているのであり、それを捉え違えたのは採用側の責任でもあるし、求職者にも採用側と同じように、その会社のこと、ポジションのことを理解して自分が活躍できるかどうかを判断する責任がある。
逆質問でその答えを検証する
有難いことに、採用面接では大抵の場合、「最後にあなたから質問はありませんか?」と聞いてもらえる。
そのときに、最低でも次の質問をしてみよう。
- ◯◯を行うとき、この会社ではどのようなプロセスでそれを行いますか?※◯◯の例:新製品開発、企画立案、ブランド戦略策定、営業戦略策定、予算作成、予算管理、中長期計画策定など、あなたがその募集ポジションで実務経験したい仕事にしよう。
- そのときに、この募集ポジションに期待される行動はどのようなものですか?
- この会社で評価の高い人は、その行動に加えてどのような行動を取っていますか?
- この募集ポジションに関連する仕事で、この会社が掲げている行動規範(コンピテンシーやバリューなど言い方は会社により異なるのでホームページでチェックしてみよう)を最も現したエピソードを教えてください。
もう一度言わせてほしい。
面接は「お互いのことを理解する場」であり、あなたがその転職先で成功するための仮定を検証する場だ。
これができなかった筆者の苦い経験
筆者は昔この考え方を知らずに、大量に送られてくる求人の中からその情報の良いところだけを見て応募し、面接でもありきたりな質疑応答の中で自分に都合が良い部分だけを切り取って転職を決断したことがある。
その会社は誰でも知っているような大企業だったということもあり、正直真っ当な根拠もないのに大丈夫だろうと過信もしていた。
当時の筆者は、自分の見たいようにその会社を見ていただけだった。
その結果入社後どうなったかは皆さんのご期待の通りで、任された仕事が想定と違っていたり、チームワークを大切にしていると聞いていたのに実質はマネージャーのワンマンチームだったりと、仕事内容もカルチャーも全く合わずにまた一から職探しをすることになってしまった。
このような筆者と同じ経験をしなくて済むように、面接の場では面接官の言っていることに対して、それに値する行動が伴っているかしっかり検証しよう。
面接の時間は限られているので、面接ではその会社の人にしかわからないことを聞かなければならない。
前述の質問例が正にその例となっている。
他に面接で聞きたいことがある場合には、転職エージェントを頼ろう
そうは言っても、その他にも募集の背景や前任者の退職理由、在宅勤務やフレックス制度、残業時間、ワークライフバランスなど知りたいことも多いと思う。
それらの情報はあなたに限らずみんなが知りたいものなので、適切な転職エージェントを頼れば、彼らがそれらの質問に答えてくれるだろう。少なくとも、筆者の場合はそうだった。
内容によってはすぐに回答できない場合もあるだろうが、そんなときでも彼らはタイムリーに採用企業側に確認して折り返してくれた。それが筆者の転職活動の大きな助けとなったのは想像に難くないだろう。
ちなみにここで言う適切な転職エージェントとは、両面型や両手型と言われるエージェントのことだ。
筆者のオススメは、以下の3社。
・ロバートウォルターズどの転職エージェントでも素晴らしい担当者に恵まれ、結果的にご縁のなかった会社もあるが、彼ら全員のサポートに心から感謝している。
参考にそれぞれの会社へのリンク先を載せておくので、気になる人は登録して話をしてみてもこの3社なら損はないと思う。
【オススメ】FP&A転職に強い転職エージェントの詳細説明はこちら
あなたが次の面接で、その転職先で成功するための仮定を証明できることを願っている。