FP&Aの仕事内容を正しく理解した上でFP&Aへの転職を決意したら、次は具体的に何をすればよいだろう?まず全体像を押さえてからその詳細に入っていきたい。
内定獲得までの3ステップ
- 自己分析をしてレジュメを作る
- 転職エージェントに登録する
- 応募する会社を比較検討して、内定を勝ち取る
それぞれについてくわしく説明していきたい。
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1.自己分析をしてレジュメを作る
自己分析のポイントは、あなたの中にある「ミッション×カルチャー×労働条件」を整理することだ。
ミッションを考える
まずミッションとは、あなたが仕事をする目的、あなたが世の中のために成し遂げる大切なもののことだ。
具体例があった方がイメージしやすいと思うので、企業の例だがスターバックスのミッションを見てみよう。
「人々の心を豊かで活力あるものにするために、ひとりのお客様、一杯のコーヒー、そしてひとつのコミュニティから」
企業の場合はこのミッションは不変的なものだとされているが、まだキャリアの発展途上にあるあなたのミッションは今後変わったり新しく見つけたりということが起こりうるだろう。ミッションは今この瞬間に決めてかかるというものではなく、自分の成長と一緒にそのミッションも育てていくものだと理解して、これを考えるのに滅入ることがないようにしてほしい。たとえそれが小さなものだったとしても、立派なミッションだ。大きさは関係ない。
あなたのミッションを考える際に参考になる考え方を一つ紹介しておこう。元スターバックスCEOの岩田松雄さんは、その著書である「スターバックスCEOだった私が社員に贈り続けた31の言葉」で次のようにアドバイスしている。
「好き」「得意」「人のためになる」。この3つが重なる分野をじっくり考えてください。
彼のケースでは、その3つが重なるものがリーダーシップ教育だった。昔からリーダーシップについての本を読むなどそれに興味があり、それ即ち「好き」ということ。また3社で経営者の経験があることから、「得意」といえること。そして、その経営者としての経験が講演やビジネススクールの受講者にとって「ためになる」ことでその対価をいただけている。という考え方だ。
もう一つ例として挙げられているメジャーリーガーのダルビッシュ投手についても、子どもの頃から野球が大好きで、7色の変化球を投げ、今では世界レベルのプレーで観客を魅了することができる。だから彼のミッションは、「好きなこと」「得意なこと」「人のためになること」の3つが重なる「大リーガー」となると説明している。
カルチャーを理解する
次にカルチャーとは、あなたが仕事に取り組むその方法のことだ。いつもこの方法で問題を解決したり、仕事を早く終わらせたりする方法を思い浮かべてほしい。あなたはきっと、あらゆる仕事を行う際に高い成果を生む方法を持っているはずだ。
例えば、チームで問題の解決にあたるのか、それとも自分一人でやっつけてしまうのか。ボトムアップでやりたいことを提案するのか、トップダウンで指示を待つのか。自分で問題点を見つけて自ら取り組むのか、問題が明らかになってからその解決を手助けするのか。自由な発想で仕事のやり方を自分で考えるのか、マニュアルや指示がほしいのか。こういった点を考えてみよう。
労働条件を整理しよう
そして最後に労働条件とは、衛生要因と動機づけ要因の二つで構成される働く環境のことだ。この二要因理論はフレデリック・ハースバーグによって提唱されたもので、「ハーバード・ビジネス・レビュー」に発表されている。
この二要因理論のポイントは、あなたが仕事に不満を持たない要素と仕事に満足する要素は別物であることを理解するということだ。詳しく見ていこう。
衛生要因とは、あなたが仕事に不満を持たない要因のことで、以下のようなものが含まれる。
- ステータス
- 報酬
- 職の安定
- 作業条件
- 企業方針
- 管理方法
報酬が衛生要因に含まれることは必ず覚えておいてほしい。
動機づけ要因とは、あなたが仕事に満足する要因のことで、以下のようなものが含まれる。
- やりがいのある仕事
- 自分にとって意味のある仕事
- 他者による評価
- 責任
- 自己成長
動機づけは、自分の外側にあるものではなく、自分の内側やその仕事自体の内容にあるものだ。
重要なのは、この二つの要因のうちどちらも欠けてはいけないということだ。
例えば、もし仮にその仕事があなたが心からやりたいと思えるものでなくても給与がよいと理由でオファーを受けた場合、はじめのうちはよいかもしれないが、数年経ったとき、「私はいったい何のためにこの仕事をやっているのだろうか」と思う日が訪れるだろう。
また反対に、給与があなたの求めるものより少なくてもその仕事を本心からやりたいと思い転職した場合、多くの人には次第にその待遇面で不満が溜まっていくことだろう。
このような事態に陥らないために、衛生要因と動機づけ要因の違いをしっかり理解して、どちらも整理するようにしよう。
2.転職エージェントに登録する
自己分析で自分が求める環境が整理できたら、それをもとに作ったレジュメを持って転職エージェントに登録しよう。
転職エージェントに登録すると、まずはレジュメをベースに転職エージェントの担当者と面談を実施することになる。そこであなたの思いや考えを正しく伝えよう。
FP&Aの転職案件は外資系企業が中心となるため、登録する転職エージェントによっては外国人担当者による英語での面談となる場合もあるが、日本語でOKな転職エージェントももちろん存在する。
FP&A転職にオススメの転職エージェントはこちらの記事でその詳細を説明しているので、是非参考にしてあなたにも彼らを頼ってみてほしい。
【オススメ転職エージェント/サービス一覧】
ロバート・ウォルターズへの登録はこちら3.応募する会社を比較検討して、内定を勝ち取る
エージェントに登録して面談を終えたら、提案可能な案件がエージェントからメールで紹介されてくる。いよいよ受ける会社を決めて、書類選考を通突破し、面接で内定を勝ち取りにいく時が来た。もちろん求職者や求人の状況によってその数は変わってくるが、エージェントからは複数の候補が紹介されてくるはずだ。
そのときに、あなたは何を基準に応募する会社を選ぶべきか、その基準となるのが、自己分析で整理した「ミッション×カルチャー×労働条件」だ。それを軸に会社を比較していこう。この3つの条件がマッチした職場が、あなたが成功する確率の高い職場となる。
もし自分が持っている情報だけでは判断できない場合は、転職エージェントに聞いてみたり、面接で直接採用企業に聞いたりしてみよう。
応募書類は、どこに対しても同じものを使い回すのではなく、受ける会社によってその内容を工夫してみよう。会社の採用ページや転職エージェントを通して、その会社・該当ポジションで求められる素質や経験を理解した上で、ベースの応募書類をカスタマイズしていけばよい。無理にとは言わないが、これをやることの効果は抜群だ。
無事書類選考を突破したら、ついに待ちに待った面接だ。面接では、あなたのことを企業に知ってもらうだけでなく、お互いのことを理解し合うということを意識しよう。面接はあくまでお互いのニーズが合致するかを確かめ合う場所だ。
この面接のポイントについては、筆者の採用責任者としての視点も併せて「FP&Aの面接でやるべきこと」にまとめているので、これを是非参考にしてあなたには実りのある面接を行ってほしい。
あなたのFP&Aへの転職が成功することを心から願っている。