この記事では「FP&Aの面接でやるべきこと」でも触れた、両面型の転職エージェント3社についてより詳しく説明していきたい。
タイミングによって採用案件の内容・数ともに変化するので、100%同じ条件となる訳ではないだろうが、転職エージェント選びに迷っているあなたの参考にもなると思う。
尚、筆者には3回の転職経験があるが、これら3社は多くの人から評判が良く、自信を持っておすすめできる。
ジェイ エイ シー リクルートメント / JAC Recruitment
JACリクルートメントは日本人が英国ロンドンで設立した転職エージェントで、過去にNTTコムオンラインNPS(R)ベンチマーク調査で薦めたい転職エージェントNo.1に選出されている。会社概要はざっと以下の通り。
- 東証プライム市場上場企業
- 1975年:海外進出する日系企業の人材採用を支援するため、田崎忠良(創業者)が英国ロンドンでJAC Recruitmentを創業(現JAC Recruitment Japanの母体)
- 1998年:東京オフィスを設立
- 国内10拠点(東京本社、北関東支店、横浜支店、名古屋支店、静岡支店、大阪支店、京都支店、神戸支店、中国支店、福岡支店)を構える
リクルートやdodaなどに次いで、皆さんも認知している可能性の高い会社ではないだろうか。他の転職エージェント紹介サイトでも、おすすめされていることが多いと思う。
筆者の考えるこの会社の特徴は以下の通り。
- 外資系企業だけでなく日系企業案件にも強い
- 外資系企業案件も扱っているが、後述のロバート・ウォルターズと比べると、やはり強みは日系企業にある
- 基本的に日本人担当者と日本語でコミュニケーションを行う
- 担当者は若手〜ベテランまで在籍しており、若手担当者でも経験豊富な社員がサポート役としてついているので安心
- 転職サポートの満足度は90%以上
- 企業側とのコネクションが強く、人事部門だけでなく採用責任者から直接ニーズを深掘りしている場合が多い
- 求職者に細かくヒアリングを行った上で、その条件を満たす案件だけでなく、潜在的なニーズを満たす可能性のある案件も提案してくれる
- 第二新卒レベルのジュニアな案件から、管理職の一歩手前の案件、管理職、エグゼクティブ案件まで幅広くカバーしている。よって給与レンジも様々
- 業界についても幅広くカバーしている
- 非公開求人50%
- 企業毎に担当者がついているので、求める条件次第では複数の担当者とのやりとりが必要
JACリクルートメントは、日系企業への転職を考えている人にはまず一番に頼って欲しいエージェントだ。
会社の歴史も長く、上場企業であり、両面型で質の高いサービスを高確率で提供してくれるエージェントはそう存在しないと思う。
JACリクルートメントに登録したら、まずはヒアリング面談が設定される。
ここで登録する際に気をつけて欲しいことが、業界を入力する項目で、あなたがこれから転職したい業界を選ぶことだ。
筆者はその登録当時に働いている業界を入力したのだが、これを基準に面談の担当者が決まる仕組みになっており、業界を変えたい場合はミスマッチが起こる。
筆者の場合は、最初の面談の担当者が当時転職したいと考えていた業界について明るくなかったため、再度別の担当者と面談を行うこととなった。
皆さんには時間を無駄にしないためにも、注意して業界を入力して欲しい。
ロバート・ウォルターズ / ROBERT WALTERS
ロバート・ウォルターズは世界的に信頼されている転職エージェントで、会社概要はざっと以下の通り。
- 1985年に英国ロンドンで設立
- 日本では2000年に東京オフィス、2007年に大阪オフィスを設立
- 世界31カ国の主要都市にオフィスを構える
- 国内外問わず数々の賞を受賞しており、日本でも日経新聞やNHKなど様々なメディアにも取り上げられている
外資系企業やグローバル企業への転職を考えたことのある人は、彼らの名前を聞いたことが多いのではないだろうか。
筆者も外資系に興味を持って転職エージェントを調べていた際にその存在を知ったうちの一人だ。
筆者の考えるこの会社の特徴は以下の通り。
- 外資系というワードに引っ張られがちだが、実は日系企業の案件も多数持っている
- 外国人担当者ばかりで基本英語でのやりとりになるのかと思うかもしれないが、コンサルタントは全員バイリンガルかつ、日本人担当者も多く在籍しており英語に自信がある方以外でもウエルカム
- 転職サポートの満足度は93%を誇る
- 外資系ならではのスピード感をもって選考を進めることができる
- 面接アドバイスや履歴書の添削を担当コンサルタントが行い、求職者ひとりひとりに最適なサポートを提供している
- 企業側とのコネクションが強く、人事部門だけでなく採用責任者から直接ニーズを深掘りしている場合が多い
- 求職者に細かくヒアリングを行った上で、その条件を満たす案件だけでなく、潜在的なニーズを満たす可能性のある案件も提案してくれる
- 第二新卒レベルのジュニアな案件から、管理職の一歩手前の案件、管理職、エグゼクティブ案件まで幅広くカバーしている。よって給与レンジも様々
- 世界有数のグローバル企業をはじめ、ベンチャー企業や中小企業に至るまで、幅広い企業の求人を取り扱っている
- 業界についても幅広くカバーしている
- 外資系高収入非公開求人も数千件扱いあり
- 企業毎に担当者がついているので、求める条件次第では複数の担当者とのやりとりが必要
- それぞれの担当者のレスポンスが他のエージェントと比べて早い
- 気軽に電話やランチ・ディナーでの情報交換も可能。ランチタイムにオフィスの近くで情報交換なんてこともよくある(筆者の友人も同じ経験をしていた)
正直筆者はロバート・ウォルターズに対して不満に思っていることは一切ない。
ロバート・ウォルターズに登録したら、JACリクルートメントと同様にまずはヒアリング面談が設定される。
これは基本的に1対1で行われるものだ。
そのヒアリング結果をもとに、条件に合う案件が手元にあればその場で紹介してもらえるし、パッと出なければ後日各企業の担当者から個別に連絡が入る形となる。
負担も大きい転職活動で、筆者はあなたにも彼らを頼って欲しいと強く思う。
ロバート・ウォルターズへの登録はこちらエンワールド / en world
エンワールドは外資系企業・日系グローバル企業を得意とする日本トップクラスの転職エージェントで、会社概要はざっと以下の通り。
- 1999年に、都内のホテルの一室にて創業
- 以来日本では東京、大阪、名古屋の3ヶ所にオフィスを構える
- 現在ではアジア諸国に拠点を広げる日本初のマルチナショナルカンパニーに
- 「入社後活躍」を掲げるエン・ジャパンの連結子会社
エンワールドではなく、近年転職社からその満足度の高さで注目されているエンジャパンの名前を聞いたことがある人の方が多いのではないだろうか。
エンワールドはそのエンジャパンの連結子会社にあたり、外資系企業・日系グローバル企業に特化した転職エージェントだ。
筆者の考えるこの会社の特徴は以下の通り。
- 就業後1年間定着に向け、サポートを実施している
- 転職希望者が、一人の人間として何を求めているかを重視してくれる
- コンサルタントが無理に転職先を薦めることはない
- 単独の担当者が付くのではなく、チームで情報を共有しより適した仕事探しに取り組んでくれる
- 企業側とのコネクションが強く、人事部門だけでなく採用責任者から直接ニーズを深掘りしている場合が多い
- 求職者に細かくヒアリングを行った上で、その条件を満たす案件だけでなく、潜在的なニーズを満たす可能性のある案件も提案してくれる
- 非公開案件多数
- 年収800万円以上の大手外資系・日系グローバル企業の求人を常時10,000件以上保持
エンワールドの一番の特徴でありFP&A未経験の方にも特にオススメしたい点が、彼らは企業に紹介して入社するまでの間だけでなく、入社後の定着までサポートを実施してくれるという点だ。
特に日系企業から外資系のFP&Aにチャレンジしようとしているあなたには、心強い味方となってくれるだろう。
以下、エンワールドからのメッセージを紹介したい。
転職は新しい会社に入社することがゴールではなく、入社してからがスタートです。
入社後、新たな環境で活躍し、事業の発展に貢献すること。仕事を通して自分自身の
さらなる成長を実現すること。エンワールドでは、転職を入社の「瞬間」として捉えるのではなく、新たなキャリアへ一歩踏み出したその時からはじまり、入社後も続いていく「道のり」として考えています。
この道のりにおいては、時に素晴らしい出会い、そして自分自身を成長させるチャンスがある一方、時に困難に直面することもあります。
そんな皆さま一人ひとりの道のりを一緒に歩んでいくパートナーでありたい。
入社後活躍の喜びを共に分かち合いたい。それが入社後活躍をミッションとして掲げる、わたしたちの想いです。
登録後の流れはロバート・ウォルターズやJACリクルートメントと同じだ。
エンワールドに登録したら、こちらでもまずは1対1のヒアリング面談が設定され、条件に合う案件が手元にあればその場で紹介してもらえるし、パッと出なければ後日各企業の担当者から個別に連絡が入る形となる。
3社併用のススメ
これらの3社で同じ案件を取り扱っている可能性もあるが、1つの会社が独占的に取り扱いをしているケースも数多く存在する。
これは採用企業と転職エージェントの信頼関係に基づくもので、その独占案件では非常に強いサポートを受けることもできるので、この3社は併用することをおすすめしたい。
その際には、必ず他の会社も利用していることを面談のときに伝えよう。隠し事はなしだ。
彼らのリソースを使ってサポートしてくれる転職エージェントに対して、失礼なことをしてはならない。
リクルートやdodaのデメリット
筆者にはリクルートエージェントとdodaを利用させていただいた経験もあるが、残念ながら筆者にはこのタイプのエージェントは合わなかった。
これらのエージェントはその仕組み上、企業担当者と求職者担当者の間で情報格差やコミュニケーションの断裂が起こりやすい構造になっており、
筆者のケースではこちらが知りたい情報が提供してもらえないどころか、転職条件のヒアリングをしたにもかかわらずそれに合わない案件が毎日大量に送られてくる始末だった。
さらにこれらのサービスにはスカウト機能なるものもあって、条件に一致した場合グループ企業からも紹介連絡が来るというものなのだが、
筆者はそれを無効にしていたにもかかわらず連絡が入ってきて、その処理も含めて無駄な時間を費やしてしまった。
中には優秀な人もいるのだろうが、会社が大きい分筆者が当たってしまったような人が多いのも事実だろう(筆者の友人も同じような経験をしている)。
番外編:ビズリーチ
番外編として、ビズリーチは自分の年収相場を知るという目的であれば、誰にでも利用する価値があると考えている。
ビズリーチは、実際に応募するレベルの履歴書と職務経歴書をアップロードすれば、それを見て興味を持ってもらえた会社の人事部門や採用責任者、転職エージェントから直接連絡が入る仕組みになっている。
その場合、具体的な募集ポジションと共に連絡をもらえることが大半となるため、今の自分の経験とスキルはどのような業界・会社で需要があるのか、給与相場はどの程度なのかをそれによって把握することができる。
もしかしたら、ここで運良く興味のある会社や両面型の転職エージェントからコンタクトがある可能性だってある。
ビズリーチを使うポイントは、実際に応募するレベルの履歴書と職務経歴書をアップロードすることだ。
ただ会員登録して簡易的な情報を入力しただけでは、それを見る採用側にとってあなたが魅力的に映ることは難しいだろう。
目的を持って、ビズリーチを使うようにしよう。
これらの情報があなたの役に立ち、その背中を押すことができれば何よりだ。両面型の転職エージェントやビズリーチに興味を持ったら、試しにどれかを頼ってみても損はないだろう。